ガイダの調律に悪銭苦闘の巻

    楽器
    01 /21 2012
    これまでは教科書の内容だけでしたが、ガイダを実際に触ってみるとどんな感じか書こうと思います。
    この楽器はカヴァルとはまた違った手強さがあります。カヴァルの場合は構造がシンプルすぎて(ただの筒!)なかなか音が出せなかったですが、このガイダはとにかく力強く息を吹き込めば音は出る・・・ように見えます。
    ところがこの音が安定せず、本来の音階からもずれているのです。ピスクンの微妙な状態に大きく依存するのですが、そのピスクンも非常にコントロールが難しいという極めてアナログ的な楽器なのです。

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    とにかく調律ができなければはじまらないので、音を確かめながらピスクンをいじる必要があります。我々の手の及ぶのはピスクンの糸を巻く位置です。上の方で巻くほど音が高くなり、巻く位置を下にしたり糸を緩めたりすると音は低くなります。これもかなり微妙な調整が必要です。上で巻きすぎるとエジチェが振動しないので空気が管の内部に入らなくなります。ユルユルでも空気が管内部に向かって駄々漏れになり、音がでません。空気を送る量(<肺活量)ともかかわってきますから難しいです。ピスクン自体がだめになっている場合もあります。
    試してみると、ガイドゥニツァの調律の際に問題が。
    「音が途中で逆転する。」教科書によれば穴をふさぐ数が多いほうが低い音となるはずですが、右手の指を使うあたりから約1オクターブほど上がってしまいます。教科書にはこんな仕様は書いてありません。
    ガイドゥニツァに問題があるとは思えませんので、ピスクンの問題かと思われますが、手元にある数個のピスクンいずれを使っても同じ現象が起こります。これには参りました。解決できるでしょうか・・・

    ※小ネタ
    音を確かめるとき、プロの解説ビデオではピスクンを付けたガイドゥニツァを直接口で咥えて吹いていました。
    それが本来のやり方でしょうけど、どうしても唾液で湿るので、フットポンプからホースを経由して空気を送れるようにしました。ホールは近所のホームセンターで数種類の内径のホースをカットしてもらいました。ガイドゥニツァにもドゥハロにも接続できます。邪道っぽいですが長時間試しても楽器が湿らない点はいいかも知れません。

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    なぜか妙な出番が回ってきたフットポンプ+カットホース

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    内径15mmのホースを接続。ホースを口に咥えて吹くことも出来ます。


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    xpucmo

    ブルガリアの言語や音楽が好きで、現地のセミナーまで受けに行きました。HNはブルガリア名でxpucmo = フリスト と読みます。ブルガリア系同人誌を発行しています。