ブルガリア語学習メモ

    語学関係
    12 /05 2009
    トラキアの儀式を再現した謎の劇のDVDを購入しました.レビューするためにナレーションのテキスト和訳を試みているのですがこれがなかなか進みません.見慣れない単語ばかりで作業はストップしまくりです.そんな中,さらに混乱を増幅させるような2つの動詞と遭遇しました.

    целяとцеря


    изцелявам нсв., изцеля св. прх. остар. Излекувам, изцерявам
    изцерявам нсв., изцеря св. прх. 1. Излекувам, изцелявам болен. 2. прен. Отучвам от нещо лошо. Ще го изцерим от тоя навик.

    これはその2つの動詞をブルガリア語辞典で調べた結果です.日本語に訳すとどちらも「完治させる」なのでしょう.どうしてこんなに似た2つの単語があるのか謎ですが,上の記述を見るとどうも微妙に使い方が違いそうな感じがします.しかも日本人にとってはLとRの発音・・・.
    とにかく,これらは派生語っぽいので,もう少し遡って調べてみます.

    целя нсв. прх. Церя, лекувам (главно душевни болки и рани).
    церя нсв. прх. Лекувам. Ще свърши за доктор и ще дойде да цери хората. Ваз.

    ここで新情報として,целяには主に心の痛みや傷を癒す意味があるという解説がなされています.しかしцеряとの違いとして述べられている訳ではないので結局なんとも言えません.結局,意味は同じということなのでしょうか.
    一瞬,これはLとRの発音の区別ができなくても伝わるオイシイ単語なのでは?と思いましたが,普段使うならлекувамのほうが無難ですね.なおцеляには同音で別の意味「狙う」もあり,そっちの方がよく目にします.という訳で,長文の割には収穫はありませんでした(^^;



    「ちょっと~,少しの間に~」のпо

    - Я кажи как успя да се избавиш от призраците?
    - Първо изкарах няколко дни в кафез, после малко поумрях...
    - Стоп! Стоп! Стига шегички. Как така "малко поумрях". Какво означава това?
    - Ами аз мога да спирам сърцето си ... за известно време.

    「どうやってあのお化け達からうまく逃れたのか聞かせてよ.」
    「はじめ何日か檻の中で過ごし,その後ちょっと死んでな・・・」
    「待った待った!冗談はよして."ちょっと死んで"って何よ.どういうこと?」
    「うーむ,ワシは自分の心臓を止めることができるのだ・・・しばらくの間な.」


    今読んでいるブルガリア語の小説より.
    поумрях(поумирам)「ちょっと死ぬ,少しの間死ぬ(?)」などという単語は辞書にも載っていませんが,по- がちょっと~する,少しの間に~する,という意味を加える接頭辞だということがわかれば内容は読めます.

    一般的な動詞でも,
    (考える)мисля(不完) - помисля(完)
    (話す)говоря(不完) - поговоря(完)
    (尋ねる)питам(不完) - попитам(完)
    (待つ)чакам(不完) - почакам(完)
    など多数"по-"をつけて派生する動詞があります.
    上の小説の例は,常用されるものではないのでしょうけど,"по-"をつけるだけでちょっとしたニュアンスの違いが出るというのは便利なのかも知れません.



    完了体が先か不完了体が先か


    これについては,タルノヴォ大学のセミナーで解説がありました.勉強すると,かなり奥が深いということがわかります.改めてテキストを読み直してみました.

    どの動詞からも派生していない動詞の多くは,不完了体から先に形成されたようです.
    考える:мисля(不完)
    話す:говоря(不完)
    訊ねる:питам(不完)

    次のように,完了体から不完了体が形成される例もあります.
    聞く:чуя(完)→ чувам(不完)
    見る:видя(完)→ виждам(不完)
    言う:кажа(完)→ казвам(不完)

    話は戻って,先ほどの動詞に接頭辞を付けることにより,新たな動詞が完了体として派生します.
    考える:мисля(不完)→ (少し)考える:помисля(完)
    話す:говоря(不完)→ (ちょっと)話す:поговоря(完)
    訊ねる:питам(不完)→ 訊ねる:попитам(完)
    ここの例はпо-ですが,接頭辞には17もの種類があります.в-/въ-, въз-, до-, за- на-, над-, о-/об-, от-, по-, под-, пре-, пред-, при-, про-, раз-, с-/съ-, у-.

    さらに,派生した動詞から不完了体が形成されます.
    (少し)考える:помисля(完)→ помислям(不完)
    (ちょっと)話す:поговоря(完)→ поговорвам(不完)
    訊ねる:попитам(完)→ попитвам(不完)

    動詞によっては,「不完了体」というイメージが結びつかないものもあります.例えば次の動詞は動作の完了を表現するために派生したものだと思われますが,そんな動詞でもしっかり不完了体は用意されています.(禁止の際などに不完了体を使いますし・・・)
    書く:пиша(不完)→ (最後まで)書く:напиша(完)→ написвам(不完)
    行う:върша(不完)→ 終える:свърша(完)→ свършвам(不完)

    (参考文献)Аз говоря български, ниво Б1, Велико Търново, 2003.

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    xpucmo

    ブルガリアの言語や音楽(特にポップフォーク)を愛するあまり、現地のセミナーまで受けに行った変人。HNを現地で頂いたブルガリア名xpucmo = フリスト に統一しました。