夏のニザダイの癖をブルガリア産スパイスで迎え撃つ

    作ってみた
    08 /23 2020
    都内のとある普通のスーパーで、夕食の材料を探していると、鮮魚コーナーの前で一瞬固まりました。


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    ニザダイ売ってる・・・

    この状況で、一般の買い物客がどう反応するのかまず気になりました。

    ・聞き慣れない食材なのでスルー
    ・タイの一種だと思って購入
    ・一応スマホで検索するが、口コミを見て買うのをやめる

    ちなみに、ググると必ずヒットするぼうずこんにゃく氏のページによると、☆2つの味評価で「磯臭い」というフレーズが何度も出てくるほか、地方名の紹介には[臭剥] [小便所]などの食材らしくないフレーズが並んでいます。まず魚体の写真を見て脱落する人もいるのではないでしょうか。

    折角なので買ってきました。切り身自体からは特に変な臭いはありません。当たりの個体だったのか、下処理が上手だったのかどちらでしょう。値のつかない魚の割には定価が高いんじゃないかと感じる方もいるかも知れませんが、要注意の魚であるからこそ捌くのにテクニックがいるので、手間賃など含め妥当な価格と思います。もっと高くても不思議ではないです。私もよく吉池やよしやセーヌ神楽坂店で丸の魚を買ってきますが、ニザダイのような内臓の臭いそうな磯魚はあまり捌きたくないです。


    まずシンプルに塩焼きにしてみました。夏のニザダイは臭いので塩焼きは向いていないという意見がある中で、敢えて試してみます。


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    脂はよく乗っているのですが、焼くと血合いがどす黒くて美味しそうに見えません。
    幸いにも変な臭いはなく、ハズレの個体ではなかったと思います。ただ、不味いとは言わないけど美味しくはない・・・。身質は良いものの旨味に欠けます。致命的なのは、後味に妙な雑味というか癖が残ることで、なかなか箸が進みません。磯の味というとポジティブなニュアンスも含むので、堤防の味と表現することにします。



    ハーブ&スパイスでニザダイの癖に打ち勝つ


    塩焼きは微妙だったので、ハーブソテーでリベンジです。ここでブルガリア産のスパイスに登場してもらいます。これらは戴き物で、これまではなかなか使う場面がありませんでした。まさに活躍の機会が訪れたわけです。


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    червен пипер レッドパプリカ
    чубрица チュブリツァ セイボリー
    шарена сол シャレナソル
    сминдух スミンドゥフ フェヌグリーク
    джоджен オランダハッカ
    самардала サマルダラ 

    チュブリツァはあまり魚のソテーに使うイメージがなく、それを含むシャレナソルも同じです。ミントもちょっと違うので、そうなると去年も試したカレーっぽい香りの


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    スミンドゥフと、


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    初登場、未知のサマルダラ

    あと、魚料理のハーブの定番、мащерка(タイム)とриган(マジョラム)がほしいので、


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    ドブロウートロのハーブティーの袋から中身を取り出します。

    まず、塩、コショウ、にんにく、スミンドゥフ、サマルダラ、白ワインを切り身にからめておきます。


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    カリッとさせるため片栗粉を軽くまぶし、オリーブとドブロウートロ(タイム、マジョラム、セントジョーンズワート)をしいたフライパンでソテーします。


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    盛り付けのセンス無いのはご容赦。いただきます。


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    確実に言えるのは、塩焼きよりマシだと言うことです。スパイシーで美味しいですね、外の衣部分が。ただ、いくらスパイスでごまかしても中身は中身なので、違和感は残ります。後味はやはりあまり好みではない。そもそもスミンドゥフはそれほど強い味ではないし、それこそフィッシュカレーぐらいのスパイス量で立ち向かわないと効果は得られないかも知れません。具材を引き立てる、というよりは、殴り潰すくらいの勢いが必要でしょう。

    サマルダラも有無の2パターンを分けて食べ比べて見ましたが、今回は十分に差異が確かめられなかったので、また機会を改めて味を検証してみたいと思います。

    コメント

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    No title

    いつもながらの旺盛なチャレンジ精神には脱帽です。
    まず「ニザダイ」ですがこの魚を敢えて買うという人は殆どいないのではないで
    しょうか。
    私も過去に一度だけスーパーで見かけましたが、近頃は見た事がありません。
    しかも価格に見合うだけの味は期待できなさそうなので、割引で購入したのは
    正解ですね。
    私は(間違いなく?)食べた事がありませんので「堤防の味」なるものがどんな
    感じなのか興味深々です。
    スパイスの種類もスゴイですね。名前も半分は聞いたこともありませんので、
    こちらも想像するしかなさそうです。多分無理ですが。(笑)
    仮に試行錯誤であっても「正解」にたどり着くまでのプロセスは楽しそうですね。
    私も別の何かでチャレンジできる余裕が欲しいです。

    ありがとうございます

    ニザダイはなんとなく「キレイじゃない」イメージがあって、私も食べたいと思った事はなかったのですが、綺麗に卸した状態で陳列されていたので、魔が差してしまいました(笑)。
    味の感じ方には個人差があるので、堤防系の癖が気にならない人もいると思います。私は結局完食できず残してしまいました。
    ブルガリアでは川魚もよく食べられるそうなので、臭みを消すスパイスの技術も成熟しているのではと想像します。私は確かに試行錯誤の状態です。
    スパイスはまだたくさんありますので、ご興味のある品があればお知らせください。

    xpucmo

    ブルガリアの言語や音楽(特にポップフォーク)を愛するあまり、現地のセミナーまで受けに行った変人。HNを現地で頂いたブルガリア名xpucmo = フリスト に統一しました。