ブルガリアの調味料「サマルダラ」を使ってみる

    ブルガリア産食品
    11 /21 2020
    以前の記事でも少し登場したブルガリアの調味料サマルダラ Самардала についてもう少し調査してみました。
    ブルガリアで使われるスパイスの種類はたくさんありますが、その中でもこのサマルダラはバルカン山脈東部を中心とした限られた地域にしか生育しないそうで、まさにブルガリアならではの調味料と言えそうです。学名にもNectaroscordum siculum ssp. bulgaricumのようにブルガリアが入っています。このNectaroscordumというのはнектаров чесънで、英語ではハニーガーリックという呼び名もあります。


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    サマルダラはブルガリア東部で主に利用されている


    gotvach.bgのサイトに加工前の葉や花の写真があります。見た目は雑草のようです。生で食べると辛味と苦味を感じるそうです。

    上のページの情報によると、サマルダラの用途は、ポテト、卵、肉、きのこ類、米料理など多岐にわたるようです。
    サマルダラ単品で売られる場合もある一方、塩と合わせてハーブ塩の状態にして販売されることが多いようです。私が入手したサマルダラもその状態でした。シャレナソルの材料としても使われるという記述もありますが、私の持っているシャレナソルの原材料の中にサマルダラの記述はありません。

    製造法としては、種が熟すまでに若い茎の部分を摘み、細断し、食塩と1:1程度の割合で混ぜ合わせ、30-40日程度天日干しするのだそうです。時間とともに、元の濃緑色からくすんだ色になりますが、風味上は問題ないそうです。
    使用量の目安は、塩辛さを感じない程度が適量だそうです。塩との配合量が決まっているので、上限の設定はわかりやすいです。


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    そのまま舐めてみると、塩辛さと共に、ガーリック系の旨味があります。ニンニクが畑を連想させる味とするなら、こちらのは森を連想させるような味、とでも表現しましょうか。蜂蜜的な甘味があるわけではないものの、どことなく円やかさを感じます。
    加熱すると、独特の香ばしい匂いがします。和食にはないタイプのエスニックな香りです。
    折角なので、いろいろな食材と合わせて相性を確かめてみることにします。


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    サマルダラ+ポテト

    フレンチポテトにしてみました。香ばしい匂いが食欲をかき立てます。もっと個性的な味になると思っていたら、意外なほどマッチしています。このスパイスは、ジャガイモに対しては、あまり出しゃばりすぎず、素材のシンプルな味とほど良いバランスを保っています。特殊なスパイスを使っていると思わせないので、何も言わずに初めての人に出しても、違和感なく受け入れられるだろうと思います。


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    アヒージョ風サマルダラきのこ

    キノコにも合うということで、アヒージョ風にしてみました。スキレット鍋の中に、ブラウンマッシュルームとオリーブオイル、サマルダラを入れ、加熱します。
    これはマッシュルーム由来の旨味との相乗効果もあり、美味しいです。アヒージョは、多数のハーブ、スパイスを調合することで、複雑な旨味を出しますが、サマルダラ単体でこのパフォーマンスが出せるのは驚きです。唐辛子は入っていないので、刺激物を避けている方に丁度よいかも知れません。


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    サマルダラトースト

    バゲットにバターと共にふりかけてみました。これはもう、ほぼガーリックトーストです。わずかながら腐葉土を思わせる森の香りがするものの、癖はないです。これが万能調味料サマルダラをふりかけるだけで実現するのですから手軽で良いです。


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    サマルダラフィッシュフライ

    癖のある食材と合わせるとどうでしょうか。現地では山羊肉のスパイスとしても使われるそうです。
    私はたまたま入手したニザダイのスパイスとしても利用しました。その記事はこちらです。磯魚特有の味に対しては、口に入れた瞬間はかなり誤魔化せるものの、素材そのものを打ち消すほどの破壊力は見られませんでした。ミンチ状にして、サマルダラを大量に混ぜればもしかしたら互角に戦えたかも知れません。機会があれば試してみます。
    通常は、タラのような白身魚と合わせるのが無難で美味しいと思います。


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    サマルダラ納豆

    青ネギと同じくヒガンバナ科ネギ属ということで、薬味として使えるのではないかと試してみました。おそらく世界初、銀河系初の試みではないでしょうか。
    ただ、サマルダラの個性が斜め上方向のベクトルを指していて、味覚が追いつかないんです。訪日外国人の方が日本の郷土料理を口に運んだときの反応「interesting...」はこんな感じでしょう。もしかしたら嵌る人もいると思いますので、興味のある方は一度合わせてみてはいかがでしょうか。私はもうしませんけど(笑)。


    このサマルダラ、私は知人から譲り受けたので、自分で購入したことはありません。
    自分で購入するには、海外のネット通販や転送サービスの利用が必要になるのではないかと思います。別のスパイスを自分で購入したときは、転送サービスの利用が必要でした。

    コメント

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    No title

    なかなか貴重な体験を披露していただきありがとうございます。
    「サマルダラ納豆」には思わず笑ってしまいましたが、どんな風味になるので
    しょうね。興味津々です。
    それにしても日本ではまずお目にかかる事はないであろうこのスパイス、入手
    された方はさぞかし苦労されたのではないかと想像します。
    もし(無精な)私がこれを手に入れてもおそらくガーリックトーストしか作ら
    なさそうですが、もっと国内でもブルガリア料理が知られるようになれば様々
    なスパイスも買えるようになるかもしれませんが現実の壁は厚そうですね。
    山羊のチーズは食べたことがありますが、さすがに山羊肉は国内ではなかなか
    お目に掛かれなさそうなので機会があれば是非食してみたいと思います。
    あと半年以内に使い切れるよう(?)色々な食材にチャレンジする記事を期待
    しております。(催促ではありませんが。笑)

    コメントありがとうございます

    まだ1袋残っていますので、もしご興味があればお譲りします。これはブルガリア人から譲り受けたもので、彼がどう入手したか不明ですが、おそらく独自のルートを使ったのだろうと思います。一般人には難しいので、シャレナソルと併せて輸入販売してくれないでしょうか。
    このスパイスは全体的に油を使った料理に合うようで、サッパリした食材とは必ずしも合わない気がしました。サマルダラ納豆も白米と混ぜてチャーハンにすれば合うかも知れません。
    私も山羊肉は未経験ですが、好きな人にとって、このスパイスは引き立て役として機能するのではないかと思います。

    xpucmo

    ブルガリアの言語や音楽(特にポップフォーク)を愛するあまり、現地のセミナーまで受けに行った変人。HNを現地で頂いたブルガリア名xpucmo = フリスト に統一しました。